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施設長コラム

平等の不平等


一人の人間として与えられている生命の尊さ、重さは世代を超え、人種・性別を超えて
ただ一人の例外もなく平等であることは全人類共通です。

しかし、その属性は極めて多方面にわたり、且つその段階を加味した相違点は人の数だ
けあることになります。ところで、あなたは自分がどういう星のもとに生まれてきたのか
を本気になって考えたことがありますか? この世で自分が与えられている役割。もらっ
ているタレントの種類や質。現在の自分は本来果たすべき役割の道を歩んでいるのか、
少なくともその方向へ向かっているのか。こういう疑問に答えてくれる人あるいは施設を
お持ちですか。大半の人は何となく、”自分の人生はまあこれでよかったのだろう”と自分を
納得させて一生を終えているのではないでしょうか。

視点を変えて、誰でも現在立っている位置の歴史的、空間的更には遺伝的要因が一致す
る人は一人もいません。一卵性双生児でも相違点は枚挙にいとまがありません。これだけ
個々別々の人間集団において平等とはどういう状態でしょうか。限界線(あるいは境界線)
を引いた公平あるいは平等でない限り全き平等はありえません。
理解しやすくするために、受けるあるいは与えられるべき平等{受動的平等}と与える
あるいは果たすべき平等{能動的平等}に分けて考えて見ましょう。通常プラカードを掲
げ、行列を組んで訴えるのは前者です。要求が認められ、全ての人に”パンー個”が配ら
れたらどうでしょう。体重40Kgの女性の持っているのと同じ大きさなのを見た70Kgのオ
ヤジは必ず不公平だと文句を言うでしょう。他と比較して要求すれば際限がなく、逆に足
りることを悟った人にとっては常に満足でしょう。
能動的平等について転自分が与えられているおおいさに比例した分を帰せば良いと考
えるか、どれだけ与えられているか判らないのだから、可能な限りを差し出すべきと考え
るかです。このことは聖書にも書かれていますが、与えられているタレントを計る作業は
個人にまかせられていますので、非常に厳しいと言わざるをえません。
ところで、日本は現在所得税と消費税の両方を採用していますが、どちらが平等な負担
になるのか、あるいは両者の併用がより平等となるのか、快く応じるためにも一度きちん
と考えておく必要があるように思います。

そこで、改めてうかがいます。あなたは今、社会生活上公平な扱いを受けていると感じ
ておられますか。また、物心両面において”分相応”な内容を与えられていると思われて
いるでしょうか。

地球規模で増産・拡大の時代から維持あるいは縮小の時代へ向かわざるを得ない局面を
迎えて、次の世代以後は個々人の授受の相対的尺度の変更を余儀なくされるでしょう。


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