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施設長コラム

生きている限り休むことがない生命体

人体の中で本人の意思とは無関係に生涯働き続ける器官(臓器)はどれだけあるでしょうか?
まず、思いつくのは心臓と肺です。次には胃腸、腎臓、肝臓、脾臓そして甲状腺や副腎などの
内分泌腺。さらに、毛髪、爪など、思いつくだけでもずいぶんあります。
ところで、動物には”眠り”という精神機能の休養時間がありますが、生体の細胞には休息はなく、
役割を終えれば消滅するだけです。

人の心臓は生涯に何回拍動するでしょうか。
思春期以後の平均は1分間に70回。幼小児期にはこれより5~7割多く、特殊な訓練を積んだ人や
スポーツ選手などは成人の半分程度です。1分間に70回とすれば1日に100,800回。
80歳まで生きる人では約3億回です。
ちなみに、呼吸は1分間に15回として、一生にはおよそ6,300万回です。

何故このような仕組みが必要なのでしょうか。
生体を維持するために全ての臓器が休みなく活動し続けるという仕組みの必要性、あるいは
必然性が理解できません。眠っている間は全組織が一斉に、あるいは一部の当直を残して、
あとはゆっくり休めば良いではないですか。我が頭は理由探しに疲れて、”そういうものである”
として受け入れるしかありません。あるいは、”何故と問うなかれ”なのでしょうか。
精神機能についても、睡眠によって中断はされますが、毎日死亡しているのでないことは
「記憶が消えずに持続している」ことでもわかります。実は、終夜脳波を記録してみれば、
5段階の睡眠ステージが刻々と変化し続けており、睡眠中も神経細胞は他臓器同様休まずに
活動していることがわかります。

私たちの乗っている地球号が超高速で何重もの回転を続けていることを以前に書きましたが、
その中に住んでいる全ての生物が固体の生長と衰退、および世代の継承によって、
やはり休むことなく活動していることと何か関連性があるのでしょうか。
自分の身体のパーツが自分の意思とは無関係に働き続けていることを想像しながら、
生きるとはどうゆうことなのか。生かされている目的はどこにあるのか。暇つぶしに、改めて考えてみませんか。
次回までの宿題にしますので頭の体操にご利用ください。


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