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施設長コラム

子孫の退行を阻止する提言

便利、合理、安楽の追求によって着実に退行を続ける現代人!

先ず第一に歩く距離がずいぶん短くなりました。
公共施設だけでなく、個人の住宅の中でも階段の昇降は明らかに減少しています。
荷物を持ったり、背負ったりして長距離を運ぶこともなくなりました。
自分の子供でさえカートで運ぶ“物”と化しています。
同じ感覚で日用品は安物を買って使い捨てという意識です。
身体の使用しない部分は退化するのが生物進化の大原則ですので、
未来人の四肢は間違いなく短小になることでしょう。

一方、平均的市民の思考力について見れば、テレビを子守代わりに育った世代は
放送内容を批判できないばかりか、筋道だった思考や表現が下手になっており、
“自分の姿を振り返ってみる”作業にいたっては極めて憂慮すべき状態と言わざるを得ません。
テレビの終日放送だけでなく、携帯電話やカーナビなど、
日常生活の指針や機器の使用法の解説までも映像化されたおかげで、
思考すること自体が不要になりつつあります。このまま世代を重ねた場合、
その集積が進化にもたらす影響は思考の座である“前頭葉の萎縮”です。

これらの悪習、退行を食い止めるためには、体力のある限り歩き、
企業優先政策に乗って喧伝される使い捨てを止め、保守と補修を行えば使用期間が延長して
結果的に安価になることを理解し、実践すべき時代になりました。

なにより映像中毒から脱却し、黙考する時間を持つようにしなければ、
自分自身を制御・操縦できない人間になってしまいます。

四肢が短小化し、前額部が後退(=前頭葉萎縮)して“ダックスフンド”と化した子孫の姿を想い浮かべて、
退行阻止の先頭に立ってください。


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