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施設長コラム

成長と発達

子育て経験者なら誰でも知っている、幼児の日ごとの体格の発育と脳の吸収力のすごさ。
成長は身体的増大を表し、発達は機能的あるいは精神的進歩を表します。手足や身長が伸び、
体重が増加するということは同質の細胞が作られ、追加されていることを意味します。
すなわち、あらゆる部位や臓器がそれ自身を増築する能力を持っているわけです。
ところが、ある年令に達すると、増築を止めて改築に専念するようになります。
血液中の赤血球の寿命はおよそ120日ですので、1年に3回そっくり作りかえられていることになります。
また、事故や病気によって損傷した部位はせいぜい一週間でほとんど元どおりに修復され、
本体の存続には支障がなくなります。機能的発達は大脳神経細胞の記憶の蓄積が主体です。
記憶の生理学的要素は記銘、保持および想起の3つの過程があります。
この回路は繰り返し使用することによって、関与する神経細胞が増加し、
収納できる容量が増加して確かな記憶となり、
容易かつ正確に想起できるようになります。
新たな情報は保持している内容と照合して、必要な部分を取り込み保持に加えます。
乳幼児期に始まった記憶の収容量は、無秩序かつ雑多な内容を毎年延々と追加して無制限です。
また、記憶回路はつねに回転させていることで、保持力が高まると同時に記銘力も良くなると
考えられています(エビングハウスの忘却曲線)。
さらに、“興味”あるいは`意欲が記銘力を補助することも判っていますので、
好奇心を持って何にでも取り組むことが記憶力向上に役立ち、年齢制限のない発達を可能にします。
凡人と秀才の脳細胞の数は同じ(約2000億個)ですが、両者の差はその利用率にあり、
前者は約10%、後者は約15%とみなされています。
裏返せばどんなに頑張った脳でも85%以上の神経細胞は未使用で終わるということです。
また、利用細胞数が多いほど、回路の使用回数が多いほど認知症になりにくいことが判っていますので、
回路の回転をたえず促す日常生活を心掛けられることをお勧めします。
“精出せば凍る間もなし水車そうです”年はとらずに重ねる生き方です。


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