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施設長コラム

極小構造の神秘

どなたでも理科の時間にはじめて顕微鏡をのぞいたとき、
規則的な構造の美しさに驚きの声をあげた経験があるでしょう。
あらゆる物質を拡大して見たとき、その構造は倍率を上げれば上げるほど
規則的になり、ついには幾何学的模様が浮き上がってきます。
では物には何故これほどの微細構造が必要なのでしょうか。
雪は六角形でなくても、ふんわりした綿の状態で良いではありませんか。
原子構造はどのように企画、設計されたのでしょうか。
構造が微細かつ複雑になればなるほど、
作成する為に多くの素材とエネルギーを要することになります。
また、不良品が出やすく、破壊されやすいこということもあるでしょう。
飛躍しますが、どんなにできの悪い脳であっても、一人の脳は約2000億個の神経細胞で作られています。
そして、一人の人体を構成している全細胞数はその何層倍にもなります。
余談ですが、頭の良し悪しはその細胞の”利用率”によるそうです。
ところが、異なる個体であっても”同じ臓器の構造は同じである”ことも
また大いなる不思議です。
さらに人類が始まって以来どれほどの人間が生まれたか判りませんが、
全く同じ遺伝子配列を持った者はいないということです、
本当でしょうか。これだけの数の似て非なる固体を作るためには、
これだけの微細構造ないし細胞が必要であることも肯ける気がします。
これらの思索を頭に置いて、改めて顕微鏡をのぞいてみると、
物であっても人であっても身の回りの全てのものが極めて綿密な設計に基づいて作りあげられており、
貴重で愛すべき存在に見えてきます。ちなみに、すこし倍率の高い虫眼鏡で
自分の手のひらをじっくり見ていただくと、一面に一様な太さの畝状の隆起が複雑な模様を描いており、
その畝にはほぼ等間隔で汗の出る穴があいています。この一事だけでも充分に驚嘆に価する内容なのですから、
本体の人間そのものをありのままで尊重し、自他の別なく愛しましょう。


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